【絶好調のきっかけ】
父のことを引きずり、自信を持てなかった時期を「過去のことだ」と切り離せるようになったのはつい最近(今年3月〜8月)、友人のコーチングを受けてからだ。
馴染みのない方には、「心の体操」と思ってほしい。ユミカが受けたのは「ポジション・チェンジ」というもので、内容は以下の通りである。
あなたは椅子に座っている。目の前の椅子は空席だが、そこには過去のあなたが座っていると想像する。
──過去のあなたは、現在のあなたを見てどう思うか?──
──現在のあなたは、過去のあなたに何と言ってあげるか?──
つまり、「現在」と「過去」、2人のあなたが語り合うのである。
ユミカの前には12歳の、一番辛かった頃のユミカ。
12歳のユミカは今のユミカを見て、「すごい!」と驚いた。
「友達がいっぱいできてる!」
「ニコニコ笑ってる人生なんだ!」
「お茶するだけであり得ないような億万長者と、一緒に旅行に行ってる!」
「わたしの人生、良くなっていく以外にないんだ!」と。
12歳のユミカから見ても、そのことに絶対の信頼ができるようになった。
現在のユミカからも12歳のユミカに対して言った。
「あんたの人生、何にも心配要らないよ」と。
「大丈夫だよ。十数年経ったら、あんたこうなってるから」と。
「ポジション・チェンジ」の結果、父親のように離婚を繰り返す「しょーもない」中年男がいたとしても、「自分には関係ないよ」と思えるようになった。
ユミカの心の中で、「自信のなさ」は「父」と結び付いていた。
しかし、「父」から受けた諸々の影響も「関係がなくなった」。
以降、彼女は ” 絶好調 ” なのだ。
2012年10月19日金曜日
一人目【Yumika Abe】自信がなくても、いいよ(後編)
ユミカ「恋愛では、昔は ”この男(ひと)がわたしを救い出してくれる” という依存の気持ちがあったの。でも、依存しなくなった途端、 ”恋愛って何だ” と思うようになっちゃった」。ごめん、うなじに集中して聞いてなかった。
【自信がなくても、いいよ】
ユミカの今を知ったら、12歳のユミカでなくても驚くだろう。
仲間とバリに行き、パーティーのためだけにアマン・リゾーツのホテルを貸し切っておきながら泊まるのは別の場所。プライベートビーチでは、御一行のために色とりどりの花びらで道が用意されている。そこでインドネシアの宮廷舞踊レゴンダンスを鑑賞する。
僕と会っているこの日は、マカオから帰ってきたばかり。10月には祖母に「親孝行」するため台湾に連れて行く。
ただ、今でこそ旅行を楽しみまくっているが、最初は飛行機が浮いたくらいで感動したそうだ。
ここまで、ユミカの過去が決して明るいものではなかったことを書いてきた。
だからと言って、本文は「キラキラ生きてる人にも暗い過去があった。だからあなたも自信を持って!」という話ではない。
「現在のユミカのような生き方は、自分には関係ない」と思う人もいるだろう。あなたは、「彼女には才能があったんだ」「運が良かったんだ」「自分とは違う」と思うかもしれない。
「やっぱり自信がない」という人へ。本文のメッセージは「自信を持とうよ!」というものではない。
むしろユミカの体験は、「自信がなくてもいいんだよ」ということを示している。
ユミカの高校時代、つまり自信がない頃の話である。人生を好転させるきっかけも知りはしない。そうでありながらユミカは、「わたしの人生は平凡なままでは終わらない」と思っていた。
「わたしは小っちゃく終わらない」と燃える気持ちはあった。
教室ではクラスメートが「地元の指定校推薦決まった!」とキャーキャー浮かれていた。大抵は地元に残る生徒ばかりだったが、ユミカは「絶対、群馬を出て東京に行く」と決めていた。
東京に出れば未来には期待できるのかなんて分からない。それでも、「格好良くて強い自分になりたい」「何にも負けない」という気持ちがあった。
あなたは普段、一瞬でも「このままでは終わらない」という気持ちになることがあるだろうか?根拠はなくていい。
ごうごうと燃え盛るキャンプファイヤーほどの火でなくてもいい。折角のバーベキューなのになかなか燃え広がらず、周りのみんなを待たせちゃう炭火くらいの、微(かす)かな火でもいい。
微かでも、火が消えていないなら、本文を読み進める甲斐(かい)はある。
僕「谷間見えてますけど?」
ユミカ「見せてますけど?」
【起業】
「ポジション・チェンジ」によってユミカは過去と決別したわけだが、それに先立つ転機として、彼女は起業をしている。起業したことは、毎日楽しく生きていることや、すごい人と旅に行っていることの起点となっている。そして何より、「女性としての経済的自立」を確保することになった。
2010年1月。六星占術によれば、この時を最後に彼女の「大殺界」(何をやるにも良くないとされる時期)が空けた。意思決定を占いに頼っているわけではなかった。だが、「新しく人と出会うこと」に対して心を開くことにした。
「大殺界」が空けた後の同年2月に浜崎あゆみファンのオフ会(mixiなどの交流サイトで知り合った人たちが、オフラインで集まること)があった。そこで出会った人から、起業の手だてを教えてもらうことに。
なお、この頃にユミカは水商売をやめ、芸能の仕事も始めている。色々なことを再編成する時期となった。
【使命】
ユミカがロイヤルミルクティーを飲み終わる頃には、過去の話はほぼ聞き終わっていた。
今度は、これからの使命を聞いてみた。
「女性を救いたいんですよね」。
彼女が望むのは、自分と縁あって知り合った女の子たちが一生食べることに苦労しない経済力を身に付けること。それまでお手伝いしてあげたいという。
何らかの手段にこだわることはないけど、女の子が経済的に自立できるようになったらキャバクラのスカウトとかいなくていい。フワフワと水商売などに就く子たちを、「ラクだよ」「稼げるよ」と上手いこと言って誘導しているのがスカウト。
(ただし、水商売や風俗という仕事にプライドを持って取り組む女性について、ユミカは敬意を払っている)。
苦しむ女の子たちに、もっと楽しい生き方があると教えてあげたい。水商売のように心を、風俗のように体を売らなくても、女性が経済的に自立している世界はある。今、ユミカ自身がそんな世界にいる。
「こっち見てみなよ」。
「あなたがやりたいことは何だろう?見つけてごらん?全部自由にソウゾウしていいんだよ?」
──それが、彼女のメッセージ。
ただし彼女は、「大丈夫!未来は輝いているから!」と言う女性ではない。
彼女はこう言っている。
──いつでも、わたしが話聞くから──。
「ちょろっと電話で話を聞いてくれるお姉さん」という存在。小っちゃいことでいいから相談していいお姉さん。
ユミカの話を聞いて僕は思った。
悩める女子は、まずは相談したらいい。
未来に期待できるのかなんて分からずに──でも、いいよ。
自信がなくても、いいよ。
【Yumika Abe】
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僕「あ、そうだ。男に対しては使命ってある?」
ユミカ「別に(笑)まあ、経済力付けてね♥」
(取材・執筆=真木風樹。本文の文責は真木風樹にあります。筆者である真木風樹と、取材対象者であるアベユミカ氏以外による無断転載・使用はお断りします。転載・引用の際はご一報ください)。



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